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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第4章 刹那の口付け

「............初、音?」

 唇が離れ、私は愕然としながら初音を見ることになった。

 初音の方は、何の表情の変化もない。私だけ動揺しているみたいで、馬鹿みたいなんだけど......。
だけど私は、兎に角この状況に混乱しか抱けなかった。

 初音がさっきまで見ていた日記のこと――。過去のこと――。お母さんのこと――。そして、この口付け......。

 全部入り交じって、何もかも訳が分からなくなりそうだった。

初音は何も言わない。

ただ沈黙が深くなったまま。私の混乱も深くなっていく中、初音が私の肩に手を掛ける。

「待って、待って初音! 待って!!」

何をしようとしているかは、言われなくても本能的に悟った。

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