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sweet poison【BL】

第1章 茜陽一の仕事

「うう~ん」

陽一は頭を抱え、唸った。

会社の大きな利益に繋がるかもしれない良い話。

しかし相手の本心は隠されたまま。

「…実際、会って話さなきゃこの話は進まないってことですよね?」

「はい。あまりお力になれずに申し訳ないです」

「いやいや、水野さんはよくやってくれていますよ」

慌てて手と頭を振り、否定した。

その後、ため息を一つついた。

「とりあえず、話を聞くだけなら行ってみますよ」

「行ってくださいますか?」

「ええ。もし本当に裏がないのなら、ありがたいお話ですからね。まあ裏がないとは思えませんが…」

「その辺はこちらで調査を進めます。ですが陽一さん、くれぐれも注意してくださいね?」

「分かっていますよ。護衛の方、よろしく頼みますよ?」

「了解しました。では準備はこちらの方で用意しておきます」

「ええ、お願いします」

水野と話をしたせいか、会議室を出ていた後はすっきりした気分になった。

翌日の会議の書類も作成し、定時には家に帰れた。

工場から歩いて十分、一戸建てが茜家だった。

「ただいま」

「おかえり。夕飯できるまでまだ時間がかかるから、お風呂先に入る?」

「ん~。後でいいや。部屋にいるから」

「分かったわ」

母は専業主婦をしており、時々工場の手伝いもしていた。

夕飯のカレーの匂いを嗅ぎながら、陽一は二階の自室に入った。

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