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愛は、メロディにのって 「改訂版」

第1章 愛は、メロディにのって

         16

 やがて、望さんが、あがってきてくれました。
 わたしを抱きしめて、
 「百合さん
  きれいな
  百合の花でしたよ」
 と、言ってくれました。
 わたしは嬉しくて、望さんに、ギュッと抱きつきました。
 「百合さん
  緊張していませんか」
 「恥ずかしいですけど
  緊張は
  していません
  だって
  望さん
  とっても
  優しいもの」
 「よかった
  蜂が
  百合の花の
  中に入るとき
  百合の花は
  緊張しないですものね」
 「でも
  望さんのあれは
  蜂の針より
  太いわ」
 「あはは
  冗談が言えましたね
  ほんとに
  緊張してないですね」
 「ええ」
 「じゃあ」
 と言って、望さんが、姿勢をあらためました。

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