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愛は、メロディにのって 「改訂版」

第1章 愛は、メロディにのって

         15

 望さんの舌は、あそこを散歩するときと同じように、さわさわと触れてくれています。
 わたしは、首を振ったり、胸をくねらせたり、望さんの頭を抱えるようにしたのですが、腰は動かしませんでした。
 腰を動かせば、望さんの舌が、離れていってしまうと思ったからです。
 それは、嫌。
 望さんの舌の散歩は、
 強くないのに。
 さわさわなのに。
 どうして、こんなに気持ちがいいのかしら。
 天国にいったら、こんな感じなのかしら。
 そうだ、望さんが、いまわたしを、天国につれていってくれているんだわ。
 そうにちがいない。
 ありがとう、望さん。
 望さん、ほんとにありがとう。
 嬉しくて、気持ちよくて、わたしは、泣いてしまいました。
 「望さん
  望さん
  気持ちいいです」
 と、なんどもなんども言いながら、泣きつづけました。

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