愛は、メロディにのって 「改訂版」
第1章 愛は、メロディにのって
3
でも、鍵盤を押さえる練習だけはしてくださいと言うと、
「はい」
「いつから始めますか」
「次の水曜日でいいでしょうか」
「はい」
「私、滝川望といいます
学習塾を経営しています」
「わたしは
宮本百合です」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ
弾けるように
精一杯お手伝いします」
望さんは、あまり熱心な生徒さんでは、ありませんでした。
仕事柄、忙しいと言っていたので、しかたないことです。
でも、音楽が好きだということは、わかりました。
それも、チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
わたしと望さんは、いろいろ話しているうちに、その他の曲も音楽以外でも、好きなものが一緒というのが多いのがわかりました。
そんなある水曜日、小学三年生のなつみちゃんが怪我をしました。
よそ見をしていてピアノの蓋を閉じたので、指を挟んでしまったのです。
ウワーンと泣き声がしたので見ると、なつみちゃんの左手から血が床に垂れています。
でも、鍵盤を押さえる練習だけはしてくださいと言うと、
「はい」
「いつから始めますか」
「次の水曜日でいいでしょうか」
「はい」
「私、滝川望といいます
学習塾を経営しています」
「わたしは
宮本百合です」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ
弾けるように
精一杯お手伝いします」
望さんは、あまり熱心な生徒さんでは、ありませんでした。
仕事柄、忙しいと言っていたので、しかたないことです。
でも、音楽が好きだということは、わかりました。
それも、チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
わたしと望さんは、いろいろ話しているうちに、その他の曲も音楽以外でも、好きなものが一緒というのが多いのがわかりました。
そんなある水曜日、小学三年生のなつみちゃんが怪我をしました。
よそ見をしていてピアノの蓋を閉じたので、指を挟んでしまったのです。
ウワーンと泣き声がしたので見ると、なつみちゃんの左手から血が床に垂れています。