テキストサイズ

愛は、メロディにのって 「改訂版」

第1章 愛は、メロディにのって

         5

 幸い、なつみちゃんの指の骨は折れておらず、打撲傷と切り傷という診断でした。
 なつみちゃんのお母さんも、わたしに迷惑をかけましたと言い、話のわかる方でした。
 「滝川さん
  ありがとうございました」
 「いえ
  なつみちゃん
  骨が折れていなくて
  よかったですね」
 「はい
  わたしだけだったら
  救急車を呼んでいたと思います
  ほんとに
  ありがとうございました」
 「先生
  私にお礼をしたいと
  思っているでしょう」
 「はい
  もちろんです」
 「断るのもあれですから
  そのお礼がわりに
  食事に付き合ってください」
 「はい
  そんなことでいいのでしたら」
わたしは、なつみちゃんの怪我というアクシデントがなくても、望さんに親近感を持っていたので、食事は、わたしから誘いたいくらいでした。
 それから、望さんと、食事をするのが、何回か続きました。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ