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愛は、メロディにのって 「改訂版」

第1章 愛は、メロディにのって

         6

 わたしたちは、
 「百合さん」
 「望さん」
 と、呼びあうようにもなりました。
 わたしは、父が和歌山で代々つづいている材木商をしていること、わたしが東京の東邦音楽大学を卒業したこと、東京でピアノ教室を開きたかったが、父が関西でなければ駄目だといったことなどを話しました。
 「それで
  大阪で」
 「はい」
 「よかった」
 「えっ」
 「そのおかげで
  百合さんと出会えた」
 「そうですね
  父に感謝しなきゃ」
 「百合さんは
  お嬢さまなんだ」
 「そんなことありません
  ちょっとだけ
  広く商売をしているだけですから」

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