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兄弟ですが、血の繋がりはありません!

第7章 骨と皮と肉と、時々炭水化物


鶫side

《 ダイエット30日目・最終日 》

「やっとこの日が来た!」

「鶫頑張ったから、ちゃんと減ってるよ」

「だよねっオレ頑張ったよねっ」

この1ヶ月、悠のスパルタダイエットメニューを兎に角必死にやり切った。あとは結果が着いてきていれば、何も言うことなしだ。

「ちょっと早く体重計乗ってよ。いつまでパンツ一丁でいるつもりなの…」

「もうちょっと辛かった日々を共に噛み締めようよっ」

「辛かったの鶫くんだけじゃん」

それは確かにそうだけどさ、あんなことがあったとか、これがしんどかったとか、思い出話は全ての最終日に必ず付いてくるものでは?!

「はいはい、乗って乗って〜」

「わっ」

悠より先にしびれを切らした兄さん。
ひょいっと持ち上げられて、体重計へ。

相変わらず悔しいくらい良い筋肉だなっ。

「さぁ、1ヶ月のダイエットの成果は…」

お、お、おおおおおおおお?!

「やったぁ!3キロ減ったから戻った!」

方来鶫、元の姿を取り戻しました!

「待って。筋トレ中心にやってきたから脂肪はもっと落ちてて筋肉が付いたはずだから…」

「脂肪だけで言えばもっと落ちたってこと?」

「まじで?!」

嬉しい。今はその感情だけ!
これでまた好きな物を好きなように食べられる生活が戻ってくるんだ〜♪

「さて、鶫くん?」

「ん?」

あれれ?何故か悠の目が座ってる。

「これから、だよ。折角体重が落ちたんだからリバウンドしないようにしないと、ね?まさかこれで好きな物食べ放題とか思ってないよね?」

「思ってっ!・・・ません…」

「はい。それなら今日は我慢なしの日ね。夕飯は鶫くんの食べたいものにしよう。白米も食べていいよ」

あぁ、悠が笑った。

「じゃあ、じゃあ、チキン南蛮!カラッと揚がった鶏肉に、甘酸っぱいタレをじゅわっとかけて、特製タルタルソースはらっきょのさっぱり系と卵いっぱいのボリューム満点系の2つ!」

「いいよ。鶏肉いっぱいあるから沢山揚げちゃおうね」

「やった!」

辛いダイエットは嫌だけど悠がオレのために考えてくれるメニューだったり、兄さんがジョギングに付き合ってくれたりするのは嬉しい。

そして何より、ご褒美ご飯が美味い!!

筋トレの日々、少しの炭水化物。

こんなのも、たまになら、悪くない。


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