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無表情の宇野くんA

第24章 私と多村。

多村というのは誰も覚えていないでしょう。私のバイト先の先輩である。


店長に怒られてからというもの、多村は私に態度が大きくならなくなった。


元々歳は同じだし、当たり前といえば当たり前のことなのだけれど。


ある日、私が休憩中に、「喉乾いたな」と呟くと、多村は私の元に綾鷹とあんぱんを持ってきた。


「どうぞ、今店頭からパクってきました!お食べください!お代の方は結構です!僕も払わないので!」


すごい崇められてる。でも崇めるのならお金は払ってほしい。

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