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徒然に。

第17章 KLEIN kino

なんでかなぁ?
なんでこの人、おれを側に置いとくかなぁ?
体調管理も自分にままならない人が。

なんて悩みもとうの昔。今後もおれはこの人守るだけ。

「寒っ………そろそろ雨降るかも、こんなに素直なご主人様久しぶりだしね?」

そうだ、素直なんだ。
声に出して気がついた。
おれに触れるの何年ぶりかなぁ?あの日はおれが泣きついたから触れたと云うよりはすがり付いた、が正解だよね?
出逢って初めは素直なこと言うって思ったし、こんなに素直に色んなこと、おれに言うの?!って驚いてだます心づもり?って構えてたけど、日が経つにつれてこの人のわけ分かんない嫌みな言葉にへこたれてた。

関わりが長くなるにつれて寝顔を見る関係になって、寝起きが素晴らしく遅すぎること。寝ないと添い寝も出来ないくらい神経過敏なこと。寝てないままだと寝返りうっただけで気分悪くなってより寝れなくなること。などなど。
多少分かったらさ、対処もしほうだいなくらいには意外に受け入れ体制柔軟なんだよね?

添い寝要員に選ばれた時にはなんだソレ?!気持ち悪いじゃん!って思ったけどさ、ほんとに寝れてない時期とおれとの行動範囲がかぶってた時期とで睡眠不足が解消されたって云うんだもんなぁ?
ようやく睡眠不足の理由とか、この人の置かれてるちょっと変な立場とかさ、分かったらさ、まぁ、ホダサレルというか。丸め込まれるというか。
居たくなったんだよなぁ。

「………………んッ……………ヤ?」
あれ、珍しい。うなされてる。薬呑んだのに。

「いるよ?ここに」
寂しがりを忘れるくらいの寂しがりや。寝顔の可愛いおれのご主人様、見ていたいからね?



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