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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第12章 お料理したら、食べられちゃいました…!

肉じゃがの野菜もカットして、お鍋に水を入れてグツグツ煮立てた。


さて─────…



「………………………」



あれ?

えーっと…



お鍋の中のジャガイモたちが、肉じゃが独特の色に染まろうと待っている。

だけど…



マニュアルだと、ここで“業務用 肉じゃがのタレ”を入れるタイミングだ。

だけど、店のものが今ここにあるわけがない。


あの肉じゃがのタレには、初めからダシや醤油 砂糖 みりんなどの調味料が絶妙なバランスで入っているのだ。

うちの店では、それ1つを入れるだけで“デリカpopo”の味になるようになっている。


それが、調理マニュアル。




(醤油とか一応あるけど、どのくらい入れたらいいんだろう。
────────あっ!)



私は買ってきたからあげ用の鶏肉のパックを、手に取って見た。



当たり前だけど、普通の生肉。



うちの店は、すぐ揚げたらいいような漬け込みタレがついてる。

でもあれって、どうやって仕込むもの…?




──『何言ってんの。それが当たり前なのよ。
そんな事言ってたら、結婚してから料理できなくて困るんだから』


──『料理なら店でやってるから、できるもーん』




お母さんの言った事、本当だったんだ!


私、普通の料理ってできないよーっ!!

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