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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第2章 童顔は男に縁もありません!

「…だけど、そろそろいい加減本気で考えなきゃだめよ」


「んー?」



余り物のコロッケにソースを垂らして箸で一口大に割ると、それをわざと上の空で聞くような返事をした。


だってお母さんが何を言おうとしているか、もうわかっているから。



「あんたももう29になるでしょ!
早くお婿さんを見つけて、お母さんを安心させてちょうだいよ」


「ん…」



お母さんと話をするのは好き。
時折ジョークなんかも交えて笑ったりなんかも、実の母娘だからできるんだとさえ思っている。


だけど、こういう話だけは苦手。

何て言うか、恥ずかしいって言うか反応に困るって言うか…。


28なんて立派な大人な年齢だけど、どうしても鏡に映る自分を見るとまだまだ子どもな気がして、結婚なんてありえないって思ってしまうの。


実際、男の子と付き合った事すら一度もない。



…だからもちろん、この28年間アレの方も未経験ですけどねっ。

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