ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係
第23章 現実の為なら、理想も捨てなきゃダメなんだ!
──翌朝
昨夜、途中までイチゴバラさんに送ってもらって家に帰ってからは、何だか胸がいっぱいで何もできなかった。
せっかく職場からいただいた残り物の惣菜も、いつもならそれが私の晩ご飯になるんだけど食べられなかったの。
お母さんには心配されちゃったけど、でも昨日ばっかりは仕方ないよ。
私の、初めての大人の恋愛だったんだもの…。
──なのに。
「あ………そうだった」
朝起きて、とりあえず顔を洗って何とかコーヒーとトースト1枚は口にできた。
それからようやく落ち着いた所でケータイなんかを入れてるバッグを開き、そこに私のものではない物体が目に入り「あ…」と思い出したのだ。
「これ、返しに行かなきゃだった…」
古いレシートやカード、それから高校生にしては持ちすぎなくらいの大金(サラダ代を失敬した時に見えちゃいました)が入った黒いお財布。
それと、ピカピカと着信を示すケータイを開くと、受信していた慎吾くんからのメールが。