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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第23章 現実の為なら、理想も捨てなきゃダメなんだ!

昨日はいつもより多めに作って、陳列していたサラダ。

しかも、おかげさまで完売し、たくさんのお客さんの手に渡ったわけなのだ。



不特定多数のお客さんが利用する、うちの“デリカ popo”

だけどサラダなんかは比較的女性に人気な商品なので、男性なんかが買ってくれたりすると「おっ」と思ったりするのだ。


ましてや、昨日は2つも買ってくれた男性のお客さんなんて、特に強く印象に残りそうなんだけど……





──『待って下さい。
それも、僕が買います』


──『え?このサラダですか?
でもイチゴバラさん、それだと2つに…』


──『いいんです。サラダは好きだし、何より…
せっかく妹尾さんが取っておいてくれたものですから、無駄にしたくないんです。
買わせて下さい』




「………………………」



2つのサラダで、私は昨日のイチゴバラさんとのやり取りを思い出した。


女性のお客さんなら、何人かがサラダを2つとか3つとか買って行った人はいたけれど。

男性で2つ以上買ってくれた人って言ったら…イチゴバラさんしか思い出せないの。



え…ちょっと待ってよ。

じゃあそれだと、イチゴバラさんは慎吾くんの…

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