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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第29章 本物の愛、見つけました!

「だから、ごめんなさいっ
本当に……っ」


「そんな、謝らないで下さい。
単に…僕が雛子さんを愛しすぎてただけなんですよ。
だから…もう、謝らないで下さい」


「………………っ」




誰も傷付けないようになんて、都合が良すぎたんだよ。


生半可で、人の気持ちを受け取っちゃいけないんだ。




私は、バッグから入れっぱなしにしていた指輪の小箱を取り出すと、それを盆子原さんに向けた。




「…ずっと苦しませていた事に気付かなくて、申し訳なかったです。
ごめんね、ありがとう…」



フルフルと頭を振る私から小箱を受け取った盆子原さんは、そのまま何も言わず病室を静かに出て行った。




私もそのまましばらく何もできず、1人立ち尽くしたまま止まらない涙を流し続けていた─────…。

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