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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第4章 私の勝手な親切は空振りですか!

「何だ、お前。
そんな事の為にいちいち待っとかんでも、毎日来るって言ったんなら明日でもいいだろう。
そのお客さんは今日返せって言ってきたのか?」



それはもちろんそうだ。

そうすれば、私はいつ来るかわからないアイツを待つ事なくすぐに帰る事ができる。



「いいえ。
だけど私が、今日って言っちゃったから…」


「真面目だな、ヒナ坊は」


「や、真面目って言うか…」



傘なんて何の執着心もないような言い方だったからなぁ。


多分どちらかと言うと、傘なんてアイツの方が忘れてるぐらいかもしれない。


ただ晩ご飯のおかずを買いに来たら、「あぁそうだっけ」ぐらいの反応しか返って来ないだろう。


そう考えると…何だかこうして待ってるのが、至極バカらしくも思えてきた。




「あと少し待って来なかったら、その時は帰ります」


「やれやれ、真面目な性格は苦労するな」


「別に平気ですよ。
あ、もし私が帰った後に傘の件で言ってくる人がいたら、明日返しますって伝えてもらえますか?」




19時半になったら帰ろう。

いくら恩があるって言ったって、そこまでの仲じゃないもんね。


でも私ってば、ホントに真面目な性格なのかも。

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