【参加型小説・連鎖の尻尾】
第11章 銅玄
「それもそうですねぇ…」
高田は開いていた初代の事なりの部分をペガサスに差し出した。
「しかも、初代の名前――――“三郎”だ…農民の寄付で建てられたお寺なら、親しみを込めて住職の名前を用いるってパターンもあるよな?」
ペガサスはページを細かく見るために姿勢を正した。
そして、初代住職の生い立ち部分に目を止めた。
“農家の三男に生まれし三郎。寺子屋で誉な賢き童。
畑仕事をしながらも学友と切磋琢磨し“薬師”となる。
病、痛みを和らげる薬を作り村人を助ける。同時に学友の病を研究す。
三郎18年、大洪水が起き村の半分を濁流で失う。高台に住む三郎の家は濁流から逃れ、大量の村人がそこへ逃げ延びる。
洪水は度々村を襲うも、“丞洪寺”の儀式にて洪水、大雨が静まり村は復興。
その後、農家の寄付金により“静動寺”が建てられたそこの住職に三郎が選ばれる”