【参加型小説・連鎖の尻尾】
第13章 儀式と邪神
「今まで通り――――一緒に修行をさせてください!俺がアイツの左目になりますから!」
幹はお盆を抱えたまま善に深々と頭を下げた。
「幹――――大丈夫だ…。これから大変になると思うが…遼を支えてやってくれ…」
幹は遼と同室で特に仲も良かったぶん、夜に抜け出しいなくなったことに責任を感じていた。
「はい――――…俺も、精進します」
善の配慮に幹は再び頭を深々と下げ客間を出ていった。
「あれが、友情ってやつだ――――覚えておけ…煌太に白馬」
嫌味ったらしく煌太と白馬にペガサスが言うと「は?」と、気の抜けた返事が帰ってきた。
「所で――――ここって…大昔からあるんだよな?“邪神”を使って儀式をした…ヤバい“寺”があったとか…歴史にちょこっとでもなかったか?」
「は?“邪神”を使った――――儀式?何て罰当たりな……さて…」
善は顎に手を当てて考え出す。
と――――…
『カタカタカタカタカタカタ…』
と、遠くから…何かが擦れるような小刻みに動く音が…煌太の耳に届く。
「もう、白馬の猫――――別の部屋で爪研ぎしてるぞ…」
煌太は白馬の猫だと思い、注意するように白馬の肩を揺すった。
「は?バーカ!俺の猫又ちゃんはそんなイタズラしねぇ~よ、って…そこの縁側で鳥と寝てるっつ~の!」
姿が見えない煌太は「は?」と縁側に視線を向ける――――。
が、違う方から『カタカタカタカタカタカタ』と言う音は聞こえ続けている。
キョロキョロと辺りを見渡すも、見えない煌太は音の方を向き――――…音の有りかを突き止めようとした。