
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第18章 番外編・雰囲気を感じる男
~高田side~
大学を出て――――…最初の就職先に選んだのは、個人経営の皮膚科の薬局だった。
地元でも優秀な皮膚科のお膝下ってこともあり、いつも忙しかった。
薬学部を出ていた俺だったが、大学では学べない現場の雰囲気や流れに日々翻弄され、慣れるまで時間がかかった。
――――しかし、
俺が働きだして一年たったかたたないかの時、医院長が女性問題で訴えられ、経営は一気に傾むいた。
それから、一年は持ちこたえたが…結局、評判はガタガタと崩れ…――――「病院を畳むことにする」と、言われて…解雇された。
突然のリストラだったが…最近――――…重苦しい雰囲気が医院長の周りに感じていたから…予測は出来ていた。
高田 七海(たかだ ななみ)
職業…薬剤師
特技…雰囲気を感じとる
この特技は小さい時からたが――――…
最近、やたら強く感じるようになった。
それは、
いい雰囲気もだし…
悪い雰囲気もだ――――――――。
そして、新しい職場では――――…
悪い雰囲気がおれ自身を包んでいる気がしてならない…。
