
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第18章 番外編・雰囲気を感じる男
「――――…」
「高田さん、大丈夫?」
「あっ、はい――――!」
やっと採用してもらった薬局では、自分の周りに感じる嫌な雰囲気が気になり――――…仕事に集中できなかった。
職業柄、ミスは許されない――――…だから、何度も確認していると仕事が遅くなる。
しかも、休憩時間は気が抜けるのか――――…呆けてしまう。
「お昼…全然食べてないけど――――…仕事きつい?」
女性の先輩薬剤師は、俺の事を随分心配してくれる…が、何故かその女性がそばにいると更に嫌な雰囲気が部屋中に充満する。
「ハハハ――――…大丈夫です。最近、太ったくらいですよ」
「え~…そうなの?///高田さん美意識高いんじゃない?だから、綺麗なのかな~!」
――――グワッ…
彼女の反応に嫌な雰囲気が一気に膨らむ…
避けたいが―――― 正面からその雰囲気が俺を襲ってきた…
「――――ぅ…わ…」
「ん?どうしたの?」
「///ハハハ…なんでも――――…俺って美意識高いんですかね?知らなかった」
適当な返事をして、食べかけのサンドイッチを再びコンビニの袋に戻し、休憩室から出た。
こんな時に――――タバコを吸えたら…空腹もモヤモヤも紛らわしてくれるのだろうか…
そんなことを思いながら…サンドイッチの袋をゴミ箱に捨てた。
