【参加型小説・連鎖の尻尾】
第25章 おまけ②奥山心中
看板を過ぎると――――…ナビの示す旅館へと向かった。
「――――ザ、旅館…って感じっすね」
白馬が目を輝かせて喜ぶ意味が分からない…。
「あ~…白馬ってこう言う…いかにも古びた温泉宿~的なの大好きなんですよ……“座敷わらし出そう!”って発想だとは思います。根っからのオカルト好きですから…」
――――なるほど…
あえての…このタイプの旅館チョイスだったんだ…
「桐谷様ですね、ようこそ“奥山鬼灯温(おくやまほおずきおんせん)泉”へ」
荷物を持ち受付に行くとスタッフルームから着物姿の年配女性が出てきた。
「はい。3日間よろしくお願いいたします」
白馬は手慣れたようにチェックインシートに名前と連絡先を書くと、部屋の鍵を預かった。
「予算の関係で二部屋しか取れなかったので、二人一部屋っす!では――――じゃんけん!」
「「「「ポン!」」」」
と、勢いでじゃんけんに参加してしまったが…
「――――はい!ペガサスさん鍵っす…高田さん!イビキが酷かったら…こっちの部屋で寝ていいっすからね!」
「ハハハ…ありがとう」
「んっだと!――――俺の寝息はそよ風の如く人々の安眠を誘うので有名なんだよ!」
「「「・・・・・・・・・・」」」
――――って、何!?皆の冷ややかな眼差しは!