【参加型小説・連鎖の尻尾】
第3章 身近な怪談
白馬の切り替えの早さに唖然とするが、すでに眠気が先行していた煌太はその提案にすんなり乗った。
「何かあったらすぐに起こせよ~」
そう言うと白馬は残りのビールを喉に流し込み、段ボール床に広げた寝袋に潜った。
「あ~…何かって何だよ……怖ぇ~なぁ…」
煌太も白馬に続いて残りの缶酎ハイを飲みきり、寝袋に入った。
――――結局…
大雨のせいで心霊現象は起きず、白馬と煌太は朝まで雨の音を意識の何処かで聞きながら眠った。
「おはよう――――…」
「あ゛~~~~~…はよ…」
寝起きの悪い白馬は寝袋から顔を出して煌太を見た。
「昨日の雨が嘘みたいだな…超~晴れてる…」
「マ゛…ジで?夜――――…超うるさかったな…」
確かに夜は雨でうるさかったなと、芋虫のように寝袋から這い出る白馬の言葉に「だな…」と、短く返事をすると窓を開けた。
「ふぅ――――…いい風が入る」
「朝帰りは…女子とがいいのに――――…煌太かよ…」
「それは、俺の台詞だ」
煌太と白馬はその後、アパートを片付け…荷物を車につめ込み――――…
心霊現象が多発すると言われていたその場所を後にした。