未成熟の誘惑
第3章 従属
X月2日
旦那様は私に日記をつけるよう命じられた。
旦那様は本やテレビの影響を強く受けやすいお方である。
日記を書くとストレスの発散となり、仕事や環境に支障が出づらくなる。というのは最近某テレビ局が放送していたものだ。
「日記」というものを私は今までつけたことがなかった。
その為どのように書くものなのか、周期はどのくらいなのか、存じ上げていないのだ。
しかしストレス解消法というからには、愚痴や影事を書き連ねるものなのではないだろうか。
不馴れながら老人の始めるこの日記というものに、果たして読者が現れるのか定かではない。