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時計じかけのアンブレラ

第5章 分岐点

*****ご注意ください*****
活動休止に関するシーンです
読み進めるかどうかは自己判断でお願いします
(作者は書いてて苦しかったので…)
次のページから読んでもお話が繋がるようにします
飛ばしていただいて構いません






















青江さんは今まで、オイラが特別しんどかった時に、会いに来てくれてたように思う。

事務所に入る前。
デビューする時。
宮城の前。

それでオイラは、ちょっと期待してた。
もしかしたらまた、あの青い傘を持って、会いに来てくれるんじゃないか、って。

でも、あれから随分と待ってみたけど、青江さんは現れなかった。

今まで来てくれてたどの時よりも、多分今が、一番ヤバイのに。





オイラ一人のことだったら何とでもなる。
でも今回は。
メンバーは勿論、他にも関係する人が多過ぎる。

誰かの人生を、左右するかもしれないとわかっていて、言い出せる筈もない。

大丈夫、まだやれる。

(いつまで?)

義務になってしまう前に、俺が自分を立て直せばいい。
他の4人が背負い続けているものを、自分だけ降ろすようなことはしない。

(出来ない…)

生きていくなら働くのは当たり前だ。
俺が、自分で受け入れた職業なんだから。
宝物なんだから。

(いつか宝物だと思えなくなる日が
来るかもしれない…)

少しだけスピードを落として、ゆっくりやれば。
それでも抱えきれないようなら。
ちょっとだけ量を減らせば。
少しは自分に戻る為の時間が出来る。

(自分に、戻る…?)

だいじょうぶ。
俺は、まだ、やれる。

やれるよね?





「でも、いつまで……?」





呟いた時。
突然、肩が重くなって、痛いほどに掴まれた。
オイラは悪いことをしたわけでもないのに、ギクッとして飛び上がりそうになる。

目の前にはキャッシュサービスの端末。
ここは深夜のコンビニ。

恐る恐る振り返ると、翔君が物凄く怒った顔をしてオイラをにらんでいた。
傘がないから、青江さんじゃない。

そっか…そうだ…。
仕事帰り、翔君の部屋に行く前にコンビニに寄った。
お金をおろさないと…財布に現金がなくなってて…。

「あ、しょお、くん」

なんで、そんなに怒ってるの?




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