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Happiness day

第21章 とまどいながら

ひとつ大きく深呼吸をする

「大野智さんっ、ボクはあなたに恋しましたっ!」

大野さんが一瞬目を見開いた後、またふにゃんと表情を崩した

「翔くんって、やっぱり面白い子だね」

面白い子?もしかして、ボク揶揄われた?

急に不安になる…
大野さんは、人の事を揶揄うような人じゃないと思うけど
男が男を好きになるなんて普通じゃないもんな…

「あ、面白いって言っても勘違いしないでよ?
色んな表情を見せてくれる翔くんが可愛くて、一緒にいると楽しくて、ずっとこの子と過ごせたらな、って思った
俺は、退屈な日々を面白くしてくれた翔くんに恋したんだ」

「大野さん…」

大野さんもボクに恋してくれてた…

ボクよりも少し小さな大野さんがボクをそっと抱きしめる

「翔くん、これからは俺が、本の中じゃなく、現実の世界で色々な事教えてあげるね?」

「へっ?」

「ふふっ、楽しみだな
翔くんと一緒の高校生活」

耳元で聴こえる大野さんの声は本当に楽しそうなんだけど

色々な事ってなんだ⁈

来月から、ドキドキな高校生活が始まる。


〈end〉

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