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Happiness day

第1章 いつまでも

「ん…しょおく…?」

まだ目の開けきらない智くんがゆっくりと上を向く

ソファーの後ろに立っていた俺の姿を見つけるとフニャッと笑った

「ごめんね?起こしちゃった?」

体を起こしソファに座りなおした智くん
その隣に座り少し寝癖のついた髪を直すように撫でる

「ふふっ、いいよ
寝るつもりなかったのに寝ちゃった俺が悪いんだから」

優しい微笑みを浮かべる彼…

その様子を見る限り何かあるようには思えないんだけど

「翔くん 夜メシ食った?」

「ううん、まだ…
今日は朝早かったから家でゆっくり飲もうかと思って」

「やっぱり…よかった」

「やっぱり?」

「うん。今日の翔くんのスケジュール的に早く帰って来るかなって思ったんだ
地方の仕事だと帰りの時間がズレる可能性があるから誰かと会う約束はしないだろ?」

「うん。…え?もしかして、それで来てくれたの?
俺が家でひとりでゴハン食べると思ったから?」

「ん?まぁ、それもあるんだけど…」

なんだか歯切れの悪い

「他にも何か…」

まさか別れ話?
こんな風に改まって智くんが家に来るなんて

「取り敢えずメシにしない?
俺、用意してたんだ」

「えっ⁈嘘!ありがとう、超嬉しい…」

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