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世界で一番尊いあなた(嵐)

第2章 BAR MARIN

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翔「はぁ〜ねむい」

セダンの小さなタクシーで翔ちゃんは大きくあくびをした

和也「明日も朝早いんですか?」

翔「ん〜ん、明日は11時から。でもまあ、朝に1回マネージャーと話に行くからもっと早めに出るよ」

和也「マネージャーと?最近多いですね」

今朝も翔ちゃんはマネージャーに別室へ呼ばれていた。なにか嫌な予感はするがメンバーに話そうとする気配は一向にない。なにか悩み事でもあるのだろうか…

翔「にのには関係ないから、気にしないで」

今のは余計な一言だったとハッとした
翔ちゃんは不機嫌そうに乱れた髪をかき揚げる

和也「あ、ごめん…。」

髪をかき揚げる仕草も、俺にだけ見せる苛立った横顔も
綺麗で美しくて
嫌われるのだけは絶対に御免だが、
そんなあなたも愛おしい

和也「俺には関係ないことでも、何かあれば相談に乗りますからね」

和也(あ…いまのは上から目線だったかな…)

「調子に乗るな」と睨む翔ちゃんなど想像に容易い
俺は怖くて貴方を見ることが出来なかった

そして、後悔した

翔「…ありがとう」

和也「…!い、いえ」

小さな声だった
でも翔ちゃんは確かにそう言った

貴方は今どんな表情でその言葉を発したのか
俺が振り向いた時にはただ
無表情でスマホをいじる貴方がいるだけだった

気がつくと窓の外は見慣れた道を走っていた

…もうすぐ家に着いてしまう

和也(そうだ…俺、翔ちゃんに聞かなきゃいけないことがあるんだ…)

今日を逃してはもう二度とチャンスはない
恐怖と期待、真逆の気持ちが混じり合って俺の頭がぐちゃぐちゃになる前に

和也(聞かなきゃ…!)

和也「しょ、翔ちゃん…!」

和也「今日は、素敵なお店に連れてってくれてありがとうございました…。すごく楽しかったです。」

翔「改まって何言うのかと思ったら、そんなこと?別にいいよ。俺が勝手に連れてっただけだし」

和也「そ、それで…!」

聞かなきゃ……!!

和也「翔ちゃんが俺に用意してくれたお酒、、なんてお酒ですか…っ?!」

翔「…あー、酒?あのカクテルはね」

ーーー和也「えっと…コペンハーゲンのカクテル言葉は…」

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