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世界で一番尊いあなた(嵐)

第3章 新しいきもちで


そうすれば世間はにのを守る
俺は敵になって社会的に抹消されるだろうが
にのが同性愛者だとバレることはきっとない

そうすればいずれ、
にのはごく普通に家庭をもってどこかの誰かと幸せになれるはずだ…

俺はにのを守るためならなんだってする、…でも今はこの独占欲が邪魔をするんだ
何か大きなきっかけでもないかぎりあなたを手放すことなんてできない、ほかの人間に取られるなんて耐えられない

…覚悟は出来てるはずなのに、
それでも叶いもしない願いが俺の頭の片隅にはあった

それはあなたと恋人同士になって、それを世間に公表して、隠すことなく2人で手を繋いで歩くこと

…でもそんなの…にのが幸せになれるはずがない…

俺はただの独占欲の塊で、貴方の傍から離れられなくなって、そのせいで嵐も仲が悪くなって、にのはきっと…俺と付き合ったことを後悔する

同性愛者を公表したにのは、もう普通の世界には戻れない。いつまでもその肩書きがまとわりついて、絶対に幸せになれない…!

だから

だからにのは俺が守る

貴方はただ、今もどこかで笑っていてくれればそれでいい
貴方に不幸が訪れる時は、俺が身代わりになって貴方を守るから

今は辛くても少しだけ我慢していてね…

ああ早く

翔「…貴方を抱きたい…」

いま俺にできるただひとつの愛情表現、
それは貴方を抱くことだけだ

翔「…にの…」

翔「こんな俺を…好きにさせちゃって…ごめんな…」

バスの窓から見上げた赤坂の夜空は
真っ暗で星の輝き一つ見えなかった

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