テキストサイズ

世界で一番尊いあなた(嵐)

第7章 あなたの本心


俺は翔ちゃんの赤く染った頬に
優しく手を添えた

和也(ああよかった…)

和也(あなたもドキドキしてくれている)

貴方の頬は、真夏の夢みたいに熱かった

和也「翔ちゃんの気持ち…聞かせてよ」

翔ちゃんは途端に俺の腕を振り払って、、噛み付くように睨みつけた
翔ちゃんは今、戦っている

翔「こんなに言ってもわかんねえのかよ…っ」

早く、早く貴方を楽にしてあげたい

翔「お前のことなんて…!なんも思ってねぇんだよ…!」

翔「ただのセフレが…っ生意気なこといってんじゃねぇ…っ!」

翔ちゃんの叫びは、真っ暗な夜の公園に寂しく響き渡った

和也「…」

和也「…もう…嘘なんてつかなくていいんだよ」

だけど、そんな嘘で固められた偽りの言葉なんて
俺の心には触れることも出来ない

翔「…う、そ…?」

和也「…マスターから聞いたんだ」

和也「翔ちゃんが俺のためにしてくれたこと、なにもかも」

翔「なっ…!あれは…!違う!!」

和也「冷たい言葉も、意地悪な態度も、全部俺を守るためだったんだね」

翔ちゃんは我を忘れたように必死に全てを隠そうとする

翔「何いってんだよ…!んなわけねぇだろ!全部俺のためだ!俺の計画通りにことが動くように仕向けただけなんだよ!」

翔「それにお前はまんまと乗せられて…!ほんとにお前は都合がいい」
和也「大丈夫」

翔「んっ…!!」

俺はそんな嘘つきな口を、自分の唇で塞いだ

俺からする、初めてのキス

和也「今度は俺が翔ちゃんを守るから」

翔「…っ」

それはちょっぴり、涙の味がした

和也「翔ちゃん、俺はね。

…翔ちゃんを好きになって後悔したことなんて一度もないんだよ。
もちろん、後ろめたい気持ちもない

そりゃあ、同性だしさ、みんなに理解されるなんてこと絶対無理だと思う

だけど…俺は別に周りに理解されなくたっていいんだ」

和也「翔ちゃんが隣にいてくれれば、俺は何があっても笑顔になれると思う」

貴方の涙は―――初めて見たかもしれない

それでもやっぱり美しくて、
今にも消えてしまいそうなくらい儚くて

和也「いっぱい、いっぱい傷つけちゃってごめんね。辛い思い、たくさんさせちゃったよね。」

和也「でももう、そんな思いさせないから。俺はずっと、翔ちゃんの隣に居るから」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ