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世界で一番尊いあなた(嵐)

第1章 秘密

和也「っっ…!ご、ごめん…!」

和也(なにしてんだよ俺…翔ちゃんが抱いてくれてる時に泣くなんて…!)

翔「にの…もしかして…」

翔ちゃんの顔がテレビで見る、優しくてかわいい顔つきに変わった。
だが当然俺のこの気持ちを表に出すことなど許されない。めんどくさくて扱いづらいと思われれば俺は捨てられるに違いない

そんなの、絶対にいやだ

和也「、、これは、」

和也「イきたいのに…っイけないのがつらすぎて、涙が出ちゃった…///」

和也(顔から火が出るくらい恥ずかしいってこのことだ…)

神様、この解答が答えでありますように。

あくまでも可愛く、あなたの期待に応えられる私でいなくてはならない
俺は恥ずかしさと焦りとで翔ちゃんの顔を見ることができなかった

和也(もう絶対、涙なんて流さないから いつもみたいに馬鹿だなあって俺のことを笑ってください 俺のこと嫌いにならないでください 俺は翔ちゃんがいなくなったら…もう…)

翔「にの」

和也「えっと……はい」

ギュッ

その瞬間翔ちゃんは俺の両頬を力強く、でも心做しかいつもより優しくつまみ上げた。

翔「にのは…馬鹿だなあ」

和也「…」

和也(あれ…)

和也(願ってたはずの答えなのに…ちがう…)

優しい顔をしていた。
俺を見透かしているような瞳も、馬鹿にするような口調も、意地悪な表情も
今のあなたにはなかった。

翔ちゃんは俺の頬から滴る涙を指で拭うと俺の上から降りた。

翔「今日はもう帰るか」

和也「っ!でもっ、まだ翔ちゃんがっ」

和也(俺が泣いたせいで翔ちゃんが萎えてしまった…せっかく抱いてもらえたのに…っ)

翔「んー、別にいいよ。」

そう言ってはだけたシャツのボタンをだるそうに止め直す。ふんわりとローズの甘い香りがしたがそんなこといまはどうでよかった

和也「で、でも…っ」

翔ちゃんは壁にかかったアナログ時計をじっと見ると重い口を開いた

翔「…腹減ったな……」

和也「……え?」

翔「飯、いく?」

思わず耳を疑った
こんなことはじめてで理解が追いつかない

和也「えっと…」

和也(俺のこと誘ってるわけないじゃない 落ち着け、大丈夫だ)

和也「わかりました。俺、タクシー呼びますよ、どこまでですか?」

動揺のあまり仕事中みたいに敬語になってしまったことに気づいてまた動揺する

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