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世界で一番尊いあなた(嵐)

第10章 世界で一番尊いあなた

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夜の公園

和也「翔ちゃん…!遅れてごめん…!」

待ち合わせ時間に20分も遅れてしまった俺は
タクシーを降りてただひたすらに全力で走ってきた

翔「ああ、にの…!間に合ってよかった。…急かしちゃった?」

和也「ヒューッ…いや、ヒューッ全然、ていうか…っヒューッ間に合って、ない、ヒューッ」

翔「…ごめん、だいぶ急がせちゃったね。ベンチ、座って。」

あれから俺達は5人で新曲のビジュアルの撮影をしてから個々の仕事へと向かった。

俺の最後の仕事が終ったのは18時半で
翔ちゃんとの待ち合わせの19時半には余裕で間に合うはずだった
それなのに…まさかの渋滞に巻き込まれ…身動きが取れなかった

翔「はい、ココア。少しは落ち着いた?」

和也「はい…。すみません、ヒューヒュー言って…」

翔「言ってたね(笑)だいぶ走らせちゃってごめんね」

和也「いえ、そんな…。それより、こんな時間に…こんなところにに呼び出すなんて…どうしたんですか?」

そこは駅の近くにある
遊具1つない、花壇に囲まれた小さな小さな公園だった。

和也(こんなところあったんだ…タクシーの運転手さんに言ってもわからなくて駅に降ろされたぐらいなのに…よく知ってるなあ)

翔「ああ、ちょっと見せたいものがあって…。」

翔ちゃんはチラチラと腕時計を確認する

翔「あと…1分か。」

和也「…?」

爆発でもするのかと疑うくらい
あと1分で何かが起きるとは思えない景色

だけど翔ちゃんは答えてくれない
あと少しでわかるから、それしか言わない

和也「そう言われたって〜!なんか怖いよ〜!」

翔「大丈夫大丈夫…!あ、あと10秒…!に、にの!立って立って!」

和也「えぇっ!なに!怖いって!」

翔「大丈夫、手を握っててあげるから。ね?」

和也「う、うん♡…ってちげーよ!まじで、何?!」

翔「ああ!にの、くるよ…!」

和也「な、なにがーー?!」

和也(うぅ…っ!)

俺は、何が起きるのかわからない恐怖で、翔ちゃんの手をぎゅっと握り、思わず右の手のひらで両目を隠した

和也「…」

でも、何かが爆発したり、何かが近づいてきたり、
そんな気配は何も無かった

翔「にーの、目、あけてよ。」

翔ちゃんのかわいい声が聞こえる

和也「…ん…」

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