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世界で一番尊いあなた(嵐)

第11章 ♡♡♡

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タクシー 翔side

あれから、3週間が経った
正月も終わり、何事もなかったかのように世の中はバタバタと動きはじめる

忙しそうに、街を駆け歩く人たち
歩きながらメモを取って電話をしている人、赤信号を急いでわたる人、自転車を必死になって漕いでる人…
みんな、愛おしい人のために、がんばってるんだ

俺はそんな夜の東京をタクシーの窓から眺めていた

翔「…。」

クラシックが静かに流れる、セダンのタクシー。
運転手も、俺も何一つ口を開こうとはしない
誰にも気を使わなくていいこの空間が、心地よい。

翔(…ん?)
そのとき、俺のiPhoneが小さく音を立てた

開いてみると、にのからだった

和也『もうつくよ〜』

俺はあまり得意じゃないiPhoneを操って貴方に返事を返す

翔(りょ…う、かい。おれも、もう…つくよ…っと送信。)

すると直ぐに返事が来る。かわいい犬みたいなスタンプ。そのキャラクターの上には早く会いたい の文字が書いてあった。

翔(ふふっ…『おれもあいたいよ』…)

今にのはどんな顔をして俺にLINEを送っているのだろう。考えるとニヤニヤしてしまって、急いでマスクを付けた。

翔(夜は…好きだなあ。みんなのアイドルから貴方だけの俺になれるんだ)

もうすぐ、にのに会える


ーーーー
ーー

タクシーは見慣れた繁華街で俺をおろした

ここは人混みが多すぎる
俺は誰とも視線を合わせず、
センター街の外れにある裏道を、奥へ奥へと進んでいく

その道を半分くらい進んだところに
可愛い後ろ姿が見えた

翔「にのっ!」

俺はその後ろ姿目掛けて駆けてゆく、
にのはゆっくりと振り向いて、俺の存在に気づいたようだった

和也「あっ!翔ちゃん!」

キャップをどんなに深くかぶってもわかる、可愛い可愛い口元。キスしたくなるくらいだ

翔「俺の方がちょっと遅かったね。ごめんね」

和也「ううん、気にしないで。それより…」

にのはキョロキョロと周りを見渡す
誰もいないことを確認すると嬉しそうに俺に抱きついてきた

和也「今日もお疲れ様。会えて嬉しい」

にのは俺より背が低いから、
抱きしめられるとにのの香りを強く感じることが出来る
俺はこの香りが大好きなんだ

翔「俺も嬉しいよ」

額にちゅっ、とキスをした

にのは可愛い笑顔で俺を見上げる

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