
桜華楼物語
第9章 朝霧
もうそうなると…
噂が一人歩きしてどこまでも広がってしまって…
商いを継いでくれる婿のなり手なんて無い…
親を泣かせて、家を潰しかねない…
どこまでも私は親不孝…
ここまでくると
私だって色々と思うわけですよ。
自分を嘆いたり後悔したり反省したりね…
だからもうこんな自分じゃいけないって
変わらなきゃいけないって
こうなったら、仏門にでも入ろうかって…
思い立ったらすぐに、と思って
書き置きを残して家を出まして。
厳しくて有名な尼寺の門を叩いたんです。
これで私は変われるって…
そう期待したんですけど…ねえ…
その尼寺で一生懸命にお務めしましたよ。
朝早くから夜遅くまで…ええ。
まあ、私にとっては仏教の修行というより…
男断ちの修行って訳ですよ…
さて、頑張って頑張って…そりゃもう頑張って…
とうとう、髪を下ろせるかって時に…
会っちゃったんですよ…
寺の普請に来ていた大工に
ええ、あの大工ですよ。
私の初めての相手…
相手は…勿論私を覚えていてねえ…
その日に…
引き上げる大工の荷車に隠れて尼寺を出てしまった…
もう…どうしようもない女…
それから暫くの間は、その大工と一緒に暮らしましたよ。
でも、その大工は博打好きでいつも借金取りに追いかけられてて…
何も取り立てるものが無いって…
私を取り立てって具合で…
まあそれからも、色々ありましたけど…
今はここにいて
一番穏やかに過ごせてる気がするんですよ…
だって
毎日違う男が来て好きなだけやれて
おまけにお金をくれるんだもの…
これが、天職ってやつなんですかねえ…
え? さあ…親がどうなったかは…わからないんですよ…
薄情な娘はやっぱり変わらない…
もう一眠りしたら…
また…ねえ…
昔の事を思い出したら…何だかまた…
ああ…疲れて面倒なんて言うなら…いいんですよ…
私が勝手に上に乗って使わせてもらいますから…
んふふ…
噂が一人歩きしてどこまでも広がってしまって…
商いを継いでくれる婿のなり手なんて無い…
親を泣かせて、家を潰しかねない…
どこまでも私は親不孝…
ここまでくると
私だって色々と思うわけですよ。
自分を嘆いたり後悔したり反省したりね…
だからもうこんな自分じゃいけないって
変わらなきゃいけないって
こうなったら、仏門にでも入ろうかって…
思い立ったらすぐに、と思って
書き置きを残して家を出まして。
厳しくて有名な尼寺の門を叩いたんです。
これで私は変われるって…
そう期待したんですけど…ねえ…
その尼寺で一生懸命にお務めしましたよ。
朝早くから夜遅くまで…ええ。
まあ、私にとっては仏教の修行というより…
男断ちの修行って訳ですよ…
さて、頑張って頑張って…そりゃもう頑張って…
とうとう、髪を下ろせるかって時に…
会っちゃったんですよ…
寺の普請に来ていた大工に
ええ、あの大工ですよ。
私の初めての相手…
相手は…勿論私を覚えていてねえ…
その日に…
引き上げる大工の荷車に隠れて尼寺を出てしまった…
もう…どうしようもない女…
それから暫くの間は、その大工と一緒に暮らしましたよ。
でも、その大工は博打好きでいつも借金取りに追いかけられてて…
何も取り立てるものが無いって…
私を取り立てって具合で…
まあそれからも、色々ありましたけど…
今はここにいて
一番穏やかに過ごせてる気がするんですよ…
だって
毎日違う男が来て好きなだけやれて
おまけにお金をくれるんだもの…
これが、天職ってやつなんですかねえ…
え? さあ…親がどうなったかは…わからないんですよ…
薄情な娘はやっぱり変わらない…
もう一眠りしたら…
また…ねえ…
昔の事を思い出したら…何だかまた…
ああ…疲れて面倒なんて言うなら…いいんですよ…
私が勝手に上に乗って使わせてもらいますから…
んふふ…
