桜華楼物語
第9章 朝霧
ああ…
そんな呆れた顔しないでくださいな。
覚えたてなんて、何でもそうしゃありません?
それが楽しくて気持ち良ければ…
そりゃあもう、猿みたいに止まりませんて…
まあでも、私のそんな事が噂になって広まって…
とうとう親の耳にも入ってしまいましてね。
慌てて連れ戻されちゃって…
それで叱られるかと思ったら…
今度は泣かれましたよ、母親に…
何をしてくれてるんだってねえ…
とにかく早く落ち着かせようって事で
婿を取らされましてね。
ええ、商いを継いだんですよ。
実際の商いは婿に任せて、私は女将として家を守る…それでめでたしめでたし。
なんて事には…やっぱりならなかったんですよ。
んふふ… 思った通りだって?
商いしてると、やっぱり色んな人の出入りがあるのは仕方ない…
で、その中の誰かが私に目を付けるのも…
そりゃあ、仕方ありませんよねえ…
でも、私は曲がりなりにも女将で…人妻ですから…
相手だって考える訳ですよ。
そこで出てくるのが、あの噂でね。
ちょいとすれ違いざまに耳元でね…
聞いてますよ、お盛んだったらしいですね…
ご亭主に知られちゃいけませんねえ…
知られないように相談しましょう…なんて言われたらあなた…
行くしか無いじゃありませんか…逢引茶屋に…
んふふ…
一度味をしめると…
男って何で漏らしちゃうんのかしらね…
また少しずつ広まってねえ…
みんな…相談に誘うんですよ…
え? 嫌がってないように見える?
んふふ… 言ったじゃありませんか…
たまらなく、気持ちいいんですよ…
どうしたって、やめられませんて…
でも、それもそう長くは続かなくてねえ
もう、時間が惜しくて…
庭の奥の蔵の中に連れ込んでしてたら…
見つかってしまって…
お前は何を考えてるんだって…
今度は父親に泣かれましたよ…
もっと可哀想なのは、私の主人…
入り婿ですから、頭に来たって私に出て行けとは言えない…
だから…自分が出て行きましたよ。
よくよく考えてみたら…
私は主人とほとんどしてなかったなあ…と。
どうしてなのか…
多分…他の男とするのが忙しくて。
主人まで気が回らなかったんじゃないかしら…
なんてね…
そんな呆れた顔しないでくださいな。
覚えたてなんて、何でもそうしゃありません?
それが楽しくて気持ち良ければ…
そりゃあもう、猿みたいに止まりませんて…
まあでも、私のそんな事が噂になって広まって…
とうとう親の耳にも入ってしまいましてね。
慌てて連れ戻されちゃって…
それで叱られるかと思ったら…
今度は泣かれましたよ、母親に…
何をしてくれてるんだってねえ…
とにかく早く落ち着かせようって事で
婿を取らされましてね。
ええ、商いを継いだんですよ。
実際の商いは婿に任せて、私は女将として家を守る…それでめでたしめでたし。
なんて事には…やっぱりならなかったんですよ。
んふふ… 思った通りだって?
商いしてると、やっぱり色んな人の出入りがあるのは仕方ない…
で、その中の誰かが私に目を付けるのも…
そりゃあ、仕方ありませんよねえ…
でも、私は曲がりなりにも女将で…人妻ですから…
相手だって考える訳ですよ。
そこで出てくるのが、あの噂でね。
ちょいとすれ違いざまに耳元でね…
聞いてますよ、お盛んだったらしいですね…
ご亭主に知られちゃいけませんねえ…
知られないように相談しましょう…なんて言われたらあなた…
行くしか無いじゃありませんか…逢引茶屋に…
んふふ…
一度味をしめると…
男って何で漏らしちゃうんのかしらね…
また少しずつ広まってねえ…
みんな…相談に誘うんですよ…
え? 嫌がってないように見える?
んふふ… 言ったじゃありませんか…
たまらなく、気持ちいいんですよ…
どうしたって、やめられませんて…
でも、それもそう長くは続かなくてねえ
もう、時間が惜しくて…
庭の奥の蔵の中に連れ込んでしてたら…
見つかってしまって…
お前は何を考えてるんだって…
今度は父親に泣かれましたよ…
もっと可哀想なのは、私の主人…
入り婿ですから、頭に来たって私に出て行けとは言えない…
だから…自分が出て行きましたよ。
よくよく考えてみたら…
私は主人とほとんどしてなかったなあ…と。
どうしてなのか…
多分…他の男とするのが忙しくて。
主人まで気が回らなかったんじゃないかしら…
なんてね…