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桜華楼物語

第10章 梅香

梅香の声に応えるように…
筆は滑らかに滑るっていく…

しかし、敏感な部分はわざとのように遠慮がちに控えめに…。

「焦らしてるの…? 」
少しもどかしい動きに、ついそう呟く。
そんな言葉には御構い無しに、絵師は楽しむように動きを止めない。

「身体、熱いだろう? ああ…いい赤みが入ってきたよ。お前の肌は白いから…赤みが映えるよ。だから…お前を描くのは飽きないのさ…」

思い通りの結果に気分を良くしたか、ご褒美だと言うようにそこに筆を…。

はあっ…ああっ…

散々に触れられて、蜜でもう溢れそうなところに…掬い取るように筆が。
蜜で湿った筆先は、優しい感触からまるで指のようにしっかりとその場所を捉えて。

ぷっくりと膨れたさね豆を…音を立てながら捏ねるように…

動かないように堪えていても
反射的に腰が揺れてしまう…

「もう…もう…ああっ…動いちゃう…」

白い肌は更に紅潮してしっとりと艶が出てきて。

それを見ると梅香の手にその筆を握らせて、大きく左右に足を開いてその場所にあてがい。

「ちょっと自分で動かしてな…好きなようにな…」

筆を持っと暗闇の中を探り…欲しかった刺激をそこに与えて。

もう我慢出来ずに腰を浮かせて、夢中に筆を動かして喘ぐ梅香を眺めながら。
絵師は着物を抜いでいる。
もう既に、臍に付きそうなくらいそそり立って。

開いてる両足を抱えると、梅香の手から筆を取り上げて…
濡れて開いた割れ目を裂くように、一気に奥まで突き上げる。

「これは筆じゃねえよ…。」

そう言うとずんずんと腰を打ち付けながら、筆はさね豆を執拗に捏ねて。

梅香の奥が激しく蠢き締め付けて。
鳴き声のように喘ぎだす…
そろそろ頃合いだと、目隠しを取っていいよと告げてみる。

やっと光を得て絵師を見る梅香は、眩しそう切なげな顔で喘ぎ続けて。

ああ…全くいい顔してるよ…梅香…

腰を押し付けて奥の奥まで繋がったら、梅香の身体を引いて起こして上に乗せた。
絵師は下から見上げながら、布団の外に手を伸ばして紙を掴み。

「自分で動いてごらん。ああ…顔はこっちを向いて…そう…そう…」

梅香の蜜にまみれた筆から、墨のついた筆に持ち替えて言った。

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