
君と僕の世界(嵐)
第3章 ♡ 雨の日の喧嘩
1人だったら飛びついちゃおうとか、他に人がいたら迎えに来たっていって翔ちゃんのこと連れ出しちゃおうかな、なんて浮かれていた。
確か、相葉さんの言っていた部屋はここを突き当たってすぐだったと思う。
るんるんでその突き当たりを曲がろうとした時、
奥から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
翔ちゃんだ。
和也「あれ…」
やっぱり誰かと一緒にいるようだ。
俺はバレないように死角から翔ちゃんがいるはずの部屋を覗き込む。
そこには翔ちゃんと、一人の女性が親しげに話をしていた。
和也「誰だ…あれ」
その女性は背が低くて華奢だけど、顔立ちが整ってて言うならば美少女だ。
服装からも女優さんとかアイドルとかってわけではなさそうだ。…スタッフさん…?
いやいや、そんなのどうでもいい!
女性と話してたからってなんだ!
俺は翔ちゃんを連れてくって決めてたんだ!
どうせ社交辞令だろう、翔ちゃんも早く巻きたいに決まってる。だから声をかけてあげよう。
だがそう決めた時、
ちょうど聞こえてきた会話に思わず言葉を詰まらせた。
翔「また今度、ゆっくりお話しましょうね」
翔ちゃんは優しく微笑んでいた。
俺と一緒にいる時みたいに、素の翔ちゃんで。
その女は嬉しそうに返事をする。どうやら会話が終わったようだ。急いで戻らなきゃ2人は俺に気づいてしまう。
だけど…心臓が張り裂けそうで身体が動かない。
ドキッドキッと音を立てる
俺以外にあんな顔をするなんて…。
あんな翔ちゃん初めてだった。
翔「…あれ?ニノ…なにして…。」
案の定部屋から出てきた翔ちゃんと目が合う。
なんでそんなに普通でいられるのか、俺を見て何を思うのか
理解が追いつかない、頭の中がグルグルする
息が出来ないくらいに、苦しい
翔「ごめん、ここで。俺ちょっとニノと話があるから」
翔ちゃんはその女にそう告げると、俺の背中を摩りながら人気の少ないさらに奥の部屋へ俺を誘導した。
翔「…ニノ、こっち。…よし、誰もいない」
部屋には案の定誰もいなくて、二人きりだ。
翔ちゃんは今一度廊下を確認しゆっくりとドアを閉めた。
翔「かず、どうした?なんか変だよ」
目を合わせることも出来ない俺の顔を
翔ちゃんは心配そうに覗き込む。
そんな顔でそんなこと言われたら、感情が溢れちゃうよ
