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あなたが私の最高な人

第3章 Act.2-02☆

 こうなったら悪女でも演じてやる。
 私は開き直って、弘尚さんのバスローブの合わせ目から手を入れ、下肢に触れた。
 下着越しにでも、弘尚さん自身が固くなっているのが分かる。

「いつからこんなになってたの?」

 弘尚さん自身に手を添えたまま、私は弘尚さんに視線を注ぐ。

 弘尚さんは唇を噛み締めている。
 この期に及んで、まだ理性を保とうとしているのだろうか。
 でも、弘尚さんの身体は正直に反応している。

「ほんとにどうするの?」

「どうする、って……」

「私は別に構わないけど?」

「――自分を安売りするんじゃない……」

「誰にでもいいなんて思っちゃいないわよ。弘尚さんだからなんだけど?」

「けど、俺と君は別れただろ?」

「別れたからってセックスしちゃいけないなんてルールはないでしょ? それとも、私とすることで不都合でもある? ほんとは彼女がいるとか?」

「――いたらラブホに連れ込むなんて馬鹿な真似は出来ない」

「でしょうね。あなたは根っからのクソ真面目人間だから、浮気なんて器用な真似は出来ないもの」

「――酷い言い草だな」

「それはお互い様じゃない。私は『男を誑かす天才』なんて言われたんだから」

 私は下肢から手を離し、弘尚さんの頬を両手で挟み込む。

「ラブホに来て何もしないなんて不自然じゃない、ね?」

 そう言って、私は顔を近づけ、そのまま唇を重ねた。

 弘尚さんは最初、受け身状態だった。
 けれど、とうとう理性を保てなくなったのか、私の舌に弘尚さんのそれを絡めてきた。

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