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ヌードモデルのオール・デイ・ロング

第2章 ポーズブックから性感マッサージへ

その点、私は正統派の裸エプロンだった。
彼へのサービスではなく、チャーハンを作っているのだから、ヌードモデルとしては油の跳ねをガードしなければならないのだ。

私からリビングのテーブルにいるスエット姿の彼は見通せた。
指定席でフリーペーパーを読んでいるようだ。
彼が左を向けは私が見えるが、ほとんど見ていない。

お約束すぎる裸エプロンなど見てたまるかといきがっているようでもないのは、
彼女持ちの男の自然な余裕からくるものらしい。

だから、私も、彼の冷静な様子に不快感は覚えない。

できあがり。
火を止め、エプロンを外す。

全裸のウエイトレスは皿をテーブルに運んだ。

冷蔵庫を開けたら寒かった。

烏龍茶のペットボトルも並べて、朝食が始まった。

裸で食事──裸族そのもので、なんでこんなことやってるんだろうと考えなくもない。

美術モデルでも、フルーツバスケットやティーカップを小道具に使うことはあっても、裸では果物や紅茶を口にすることはなかった。

唯一、ガウンで休憩中にリンゴをかじったことぐらいで、
くどいが、裸で食事は公私とも初体験だった。

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