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君の光になる。

第6章 ある月曜日

 毎週月曜日に安倍と会うことになっていた。遊園地やカラオケのように、夕子が一人で行けなかった場所へ行くことが出来た。
 
 髪を切ってから二ヶ月が経った。次のステップはまだ訪れていなかった。

 十月のある月曜日。その日も安倍と会っていた。遠出をしたせいか、夜遅くいつもの駅に戻った。

 安倍の車は静かに止まった。
 
「駅のロータリーです。すみません……少し遅くなってしまいました」
 
 夕子は指触腕時計の文字盤を指先で確かめた。時刻は午後十時二十分を指している。安倍と過ごした時間で一番遅い時間だ。

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