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君の光になる。

第10章 ラブホテル

 初めての感覚だった。項にある生え際の髪がゆらゆらと靡《なび》いてむず痒かった。唇の柔らかい感触が項にあった。それは生え際に沿うように左右に動く。
 
 夕子は両腕で自分の胸の膨らみを覆い隠し、身体を捩りながらむず痒さから逃げる。
 
 安倍の唇が夕子の背骨を数えるかのように夕子の背筋を這い降りた。
 
「言ったのに……。見ないで、って……」
 
 身体の奥から溢れ出した熱いものが覆うものがなくなった内腿をゆっくりと滑るのが分かる。両方の太腿を擦り寄せた。
 
「白くて柔らかそうなお餅みたいな肌です」
 
「ああ……安倍さん……変じゃありませんか。私の身体……」
 
 安倍の唇が脇腹を滑る。
 
「変じゃありません。白い肌がピンク色に染まって、とても色っぽいです」
 
 ゾクリとむず痒さが背筋を駆け上る。安倍の頭を抑える。夕子は身体を捩った。
 
 ベッドのクッションがふっと揺れた。
 
 ――やっ……。
 
 胸を覆う両方の腕を降ろされる。胸にエアコンの空気を感じた。
 
「安倍さん……?」
 
「白くて丸い胸です。先っぽは薄いベイジュで……」
 
「ああ、言わなくてもいいです。きゃん……」
 
 ちゅ、という音が胸から聞こえる。右の胸の膨らみがふるんと揺れた。ペタリと生温いものがそこに張り付く。その先端が啄まれる痛気持ちいい感触が広がる。
 
 下腹の奥が熱くなった。
 
「ああ、安倍さん……シャワーしましょ?」
 
 安倍に促され、夕子はベッドに横たえられた。
 
 下腹に安倍の手のひらが這う。フワリとした柔らかい若草のある場所を安倍の手が滑る。
 
 夕子は腿を固く閉じたが、安倍の手のひらは夕子の内腿に潜り込んだ。
 
 両足の間に安倍の手のひらが貼り付く。熱いものがねっとりと広がるのが分かる。身体が強張った。
 
「あっ……、そこは、私……んんっ」
 
 安倍の指が夕子の柔らかな窪みを押す。その指は夕子の後ろに伸び、再び前に滑る。その度に、クチっという粘り気のある音が混じった。その指が何度も夕子のそこを滑る。まるで楽器を奏でるかのように……。

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