テキストサイズ

カントリーロード

第4章 明けの明星

真琴さんを抱き締めた。
広い、地平線も見えそうな畑の中。
朝焼けの雲が赤く広がっている。
夜明けの風が吹いている。
真琴さんの体温を感じる。

「あっ…」

抱き寄せたときの真琴さんの声。
でも、今は僕の腕の中にいる。

「すいません…でも、少しだけ…」

僕が言う。
返事をするかのように、真琴さんも僕の身体に手を回して、そっと抱き締める。

ー温かい。

抱き合っている。
真琴さんも受け入れてくれている。
疲れてしまった心に染みてくる。

体温を感じて、真琴さんを感じて、僕はもっと強く抱き締める。

小さな肩。
髪の匂い。
いとおしい。
好きだ。
好きだ。
好きだ。

気持ちが、溢れてくる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ