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男の友情・女の立場

第7章 笑顔

美羽と健太のセックスはそこからが本番だった。

健太は抗うつ剤を飲んでいるせいか、射精したくてもできず、タイミングを模索しながら激しく美羽の膣内で暴れる。

美羽は薬物中毒患者のように人格を失いながら、断続的にオーガズムを繰り返す。

美羽は卓也の顔を一瞬でも思い浮かべることなく、肉欲の獣と化している。

やっとのことで美羽の中に射精を果たした健太も、ペニスを抜くことなく行為を続け、さらなる射精を求めてひたすら腰を打ち付けた。


途中のどが渇いて枕元のミネラルウォーターを流し込みながらも2人は結合した状態だった。

エンドレスに続く2人の狂人のセックスが終止符を迎えるのに5時間もの時を必要とした。


半ば失神するようにベッドに倒れ込んだ美羽を見て、健太はやっと冷静になりシーツを見ると、すでにどちらの体から流れ出たものかもわからない愛の結晶が散乱しグッショリと重く湿っていた。


健太もそのまま倒れ込み、一瞬眠りについた。

目が覚めたとき15分しか経っていのに、2人は何時間も眠り込んだような錯覚を起こした。

そして、美羽はニッコリと笑顔をつくり、横で眠っている健太にキスをした。


自分の戒律をすべて破ったことにも気づかなかった美羽が《日常の自分》を取り戻したのは、目覚めのコーヒーを入れてベッドの横に戻って飲み、タバコに火を付けたときだった。

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