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*。・。*1ページだけのストーリー集*。・。*

第8章 小学生達に翻弄されてマス



 今日のサッカー部は高校で練習をするのではなく、近くの小学校にサッカーの指導をしに来た。のだけど……

「ねーねーマネージャーのお姉さん。彼氏いるの?」

「どんな人がタイプ?」

「僕のこと好き?」

「ピーマン食べれる?」

 なんと私、小学生達にモテまくっちゃってマス。

 可愛い男の子達にぐるりと囲まれるって、これっていわゆる〝逆ハー〟ってヤツ……? いや、喜んでいる場合じゃないっ。部のみんなが来るまでに整列させておかなくちゃ!

「き、君達ぃ。お願いだから、ちゃんと並んで待っててくれるかなぁ?」

 整列させなくちゃとは思うも、小学生達が可愛くて、なかなかビシッと言えない。どうしよ……

「コラッ、坊主ども! マネージャーに絡むな! ちゃんと並べ!」

「あっ、キャプテン!」

 走り寄ってきたキャプテンが、小学生達に怒って注意をした。

 嬉しい。キャプテンが私を助けてくれた。しかも小学生に対しても、ちゃんとビシッと言えるなんて。

 はぁ……惚れ直しちゃう。

 キャプテンのおかげで、小学生達がやっと静まってくれたからホッとした。のだけど……

「なんだよ兄ちゃん。ヤキモチかよ?」

 え゛っ!?

 一人の男の子が、キャプテンにとんでもないことを悪意なく言い放った。

 言われたキャプテンは「はぁ!?」と目をつり上げ、私は羞恥で硬直。

 そして――

「ヤーキモチ! ヤーキモチ!」

 小学生達が手を叩きながら、ヤキモチコールを大合唱。

 わーっ、君達やめてぇー! キャプテンが私にヤキモチなんて妬くわけないのに!

 うぅ……キャプテン、絶対気を悪くしてる。まだ告白すらしてないのに、失恋決定?

 気まずいとしか思えなくなったこの状況から、手で顔を覆って逃げ出したいと落ちていると、

「あーそうだよっ! 悪いかっ!」

「……え?」

「お前らの言うとおり、ヤキモチだよっ!」

 ウソ。キャプテンが……私のことを?

 それがやっと確信に変わったのは、紅潮しているキャプテンと目がバチッと合った時だった。

「あー! この二人見つめ合ってるぞ!」

 今度はヒューヒューと憎たらしくも可愛い冷やかしが沸き、それに二人で照れまくり。

 このあと部のみんなが来たけれど、冷やかしは一向に収まらず。サッカーどころじゃなくなっちゃった……。


〈完〉

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