*。・。*1ページだけのストーリー集*。・。*
第11章 聖なる日にサプライズを(※)
*
「フンフンフン、フンフンフン、フフフーフフン」
単身赴任先から今日だけ我が家に帰ってきた。定番のクリスマスソングをハミングしながら、二人分のプレゼントを手に下げて玄関前に立つ。
突然の理不尽な出向には未だ腹立だしいが、今日ぐらいは忘れよう。
妻と高校生の娘・マナには『忙しくて帰れない』と伝えてある。
二人とも驚くぞ。反応が楽しみだ。
ワクワクしながら玄関のドアを開けたが、
「あれ?」
一階中がシーンと静まっていた。
いないのか?
とりあえず荷物を置くべく二階へ向かうと、寝室から複数の声がしてきた。
え、何で寝室に?
用心深く、ドアを少し開けて覗いてみた。
途端――動けなくなった。
「あぁっ! 角川さんの大きくて壊れそうっ!」
「はぁっはぁっ……奥さん、僕を締め付け過ぎですよ。
マナちゃんも興奮して、可愛いココが蜜で溢れてる」
「やぁん。角川さんイッちゃうっ」
妻と娘。そして何故か、会社の本社に所属する同僚の角川がいて
――ベッドの上で、狂ったように3Pをしていた。
角川は妻に騎乗位をされながら、顔の上で跨がっているマナの秘部に舌を這わす。
な、んでっ……!
悵然(ちょうぜん)なのか、激昂なのか。多分両方が原因で、体が自分でも抑えきれないぐらいに震えていた。
「はぁっ……アイツが遠くまで飛ぶように、裏で仕組んだ甲斐がありましたよ。
あとは出向を理由に離婚して、一緒になりましょう」
「あんっ……私、必ず主人と別れますっ」
「ママぁ、早く角川さんを私のパパにしてぇっ」
『信頼出来る同僚』『愛する家族』
二つの綺麗な言葉は……俺にはもうただの耳障りでしかなく、
中の何かが、プチン……と外れた。
「……さて。サプライズの仕切り直しだ」
一階へ降り、台所で目についた物を手にすると、
再び寝室へ向かった。
*
「フンフンフン、フンフンフン、フフフーフフン」
ははっ。サプライズ大成功。
なんせ三人とも、最後まで叫び続けてたもんなー。
上機嫌でハミングをしながら〝サプライズに使った包丁〟を置いて、リビングのソファーに悠々と座る。
血まみれたままの手でシャンパングラスを持つと、三人がいる上の寝室に向かって掲げた。
「メリークリスマス」
〈完〉
「フンフンフン、フンフンフン、フフフーフフン」
単身赴任先から今日だけ我が家に帰ってきた。定番のクリスマスソングをハミングしながら、二人分のプレゼントを手に下げて玄関前に立つ。
突然の理不尽な出向には未だ腹立だしいが、今日ぐらいは忘れよう。
妻と高校生の娘・マナには『忙しくて帰れない』と伝えてある。
二人とも驚くぞ。反応が楽しみだ。
ワクワクしながら玄関のドアを開けたが、
「あれ?」
一階中がシーンと静まっていた。
いないのか?
とりあえず荷物を置くべく二階へ向かうと、寝室から複数の声がしてきた。
え、何で寝室に?
用心深く、ドアを少し開けて覗いてみた。
途端――動けなくなった。
「あぁっ! 角川さんの大きくて壊れそうっ!」
「はぁっはぁっ……奥さん、僕を締め付け過ぎですよ。
マナちゃんも興奮して、可愛いココが蜜で溢れてる」
「やぁん。角川さんイッちゃうっ」
妻と娘。そして何故か、会社の本社に所属する同僚の角川がいて
――ベッドの上で、狂ったように3Pをしていた。
角川は妻に騎乗位をされながら、顔の上で跨がっているマナの秘部に舌を這わす。
な、んでっ……!
悵然(ちょうぜん)なのか、激昂なのか。多分両方が原因で、体が自分でも抑えきれないぐらいに震えていた。
「はぁっ……アイツが遠くまで飛ぶように、裏で仕組んだ甲斐がありましたよ。
あとは出向を理由に離婚して、一緒になりましょう」
「あんっ……私、必ず主人と別れますっ」
「ママぁ、早く角川さんを私のパパにしてぇっ」
『信頼出来る同僚』『愛する家族』
二つの綺麗な言葉は……俺にはもうただの耳障りでしかなく、
中の何かが、プチン……と外れた。
「……さて。サプライズの仕切り直しだ」
一階へ降り、台所で目についた物を手にすると、
再び寝室へ向かった。
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「フンフンフン、フンフンフン、フフフーフフン」
ははっ。サプライズ大成功。
なんせ三人とも、最後まで叫び続けてたもんなー。
上機嫌でハミングをしながら〝サプライズに使った包丁〟を置いて、リビングのソファーに悠々と座る。
血まみれたままの手でシャンパングラスを持つと、三人がいる上の寝室に向かって掲げた。
「メリークリスマス」
〈完〉