*。・。*1ページだけのストーリー集*。・。*
第19章 助言
*
とある飲みの場で、男友達から恋愛相談をされた。
「そのコには彼氏がいるんだけど、僕……どうしてもそのコを手に入れたいんだ。どうしたらいいかな?」
一通り聞き終えてから私は、酔った勢いも相まって――
「そんなのはね、『ヤッちゃえば』いいのよぉ」と、言い放った。
恋に悩む純朴な男友達に、つい卑猥な助言をしてしまったと、酔った頭でもあとから負い目を感じた。けど、
「……なるほどね。うん、わかった。そうしてみるよ」
男友達は卑猥な助言を聞き入れたのか、スッキリとした顔で席を離れた。
「…………まぁ。人間、時には強引さも必要よねー」
なんて、自分の罪を軽くするように言い聞かせてから、飲みかけのチューハイを口にした。
――後日。
女友達からの助言を胸に、大きなボストンバッグを取り出す。これまでに揃えた道具を、一つ一つ丁寧に詰め始める。
……あのコの視界を遮るためのアイマスク。
あのコを大人しくさせるためのロープ。
そして――
あのコを冷凍庫に入れやすくするためのノコギリ。
あぁ……。これでやっとあのコを手に入れられる。
そう思うと、高揚感が高まってしょうがない。
これも女友達が――
(そんなのはね、『殺っちゃえば』いいのよぉ)
と、助言をしてくれたおかげだ。
「……ありがとう」
僕は自然と、女友達への感謝の気持ちを口にしていた。
〈完〉
とある飲みの場で、男友達から恋愛相談をされた。
「そのコには彼氏がいるんだけど、僕……どうしてもそのコを手に入れたいんだ。どうしたらいいかな?」
一通り聞き終えてから私は、酔った勢いも相まって――
「そんなのはね、『ヤッちゃえば』いいのよぉ」と、言い放った。
恋に悩む純朴な男友達に、つい卑猥な助言をしてしまったと、酔った頭でもあとから負い目を感じた。けど、
「……なるほどね。うん、わかった。そうしてみるよ」
男友達は卑猥な助言を聞き入れたのか、スッキリとした顔で席を離れた。
「…………まぁ。人間、時には強引さも必要よねー」
なんて、自分の罪を軽くするように言い聞かせてから、飲みかけのチューハイを口にした。
――後日。
女友達からの助言を胸に、大きなボストンバッグを取り出す。これまでに揃えた道具を、一つ一つ丁寧に詰め始める。
……あのコの視界を遮るためのアイマスク。
あのコを大人しくさせるためのロープ。
そして――
あのコを冷凍庫に入れやすくするためのノコギリ。
あぁ……。これでやっとあのコを手に入れられる。
そう思うと、高揚感が高まってしょうがない。
これも女友達が――
(そんなのはね、『殺っちゃえば』いいのよぉ)
と、助言をしてくれたおかげだ。
「……ありがとう」
僕は自然と、女友達への感謝の気持ちを口にしていた。
〈完〉