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　　　　　　　　　４

　直さんは、「では」と言い、廊下の端に、わたしを、誘いました。
　「あなたの名前を
　　教えてください」
　「えっ」
　「さっき
　　あなたを
　　じっと見ていたのは
　　なんと瞳の
　　きれいな人なんだろう
　　と思ったからなんです」
　「まぁ」
　「なんでも
　　言うんです」
　わたしは、またすこし赤くなったと思います。
　「ひとみです
　　漢字の一文字の
　　瞳です」
　直さんは、わたしの名札を見て、
　「田中瞳さん
　　きれいな瞳
　　そのままの方ですね」　　　
　直さんは、自分の名前を、時枝直といいますと言い、名刺を渡してくれました。
　その後、わたしを、デートに誘いました。
　天麩羅の美味しい店があるから、つきあってくださいと。
　そして、
　「私は
　　あなたに
　　下心をもって
　　誘っています
　　それでいいなら
　　ご連絡ください」
　と言って、出口の方へ歩いていきました。