ひとつ屋根の下の愛情論
第24章 【番外編】普段の二人。
「律夏――――…トイレ掃除してくれた?」
掃除をしようと向かったトイレが綺麗になっていた…
「ん?ついでにやったけど…ダメだったか?」
「いや――――助かった。ちゃんとペーパーの補充とか…」
「まぁな…トイレ関係は母さんがうるさかったからな」
「あ~分かる…。女の人ってトイレ周りうるさいよな…、昔、家の母さんも父さんにブチキレてるの何度か見たことあった」
ソファでくつろぐ律夏は「女って細かいからな」と、再び雑誌に視線を戻す。
「何――――読んでるの?」
俺は珍しく雑誌を読む律夏に興味がわく。
「ん~…もうすぐ……秋音、誕生日だろ?プレゼント考えてた」
「///はっ!?///そ、そう言うのは…こっそり…リサーチしろよ!」
俺は意外な返事に動揺する!
「欲しいの…何かないのか?」
「///ね、ねぇよ!」
俺はプイッと背をむけコーヒーを煎れるためにキッチンに向かう。
「記念すべき…二十歳の誕生日だぞ?なんでもおねだりしろ?」
後ろからキュッと抱き締められ、不覚にもドキッとしてしまう。
「///なっ、なにすんだよ!律夏もコーヒー飲むのかよ!」
「うん…飲む」
後ろからハグされながら俺は…コーヒーを二人ぶん煎れる。
「///こ、こう言う……ので…いい///後ろから…ギュッて…してくれるだけで///いい」
俺は…回された腕に顔を埋めて…そう呟いた。
「秋音は、欲がないなぁ…二十歳の誕生日だぞ?大人に、なるんだぞ?」
「///お、大人には――――律夏がしただろ!」
俺は律夏の腕から逃げるとプイッと自分の分だけコーヒーを持ちソファに座った。
そして、さっきまで律夏が見ていた雑記を広げる――――…
「///って!ラブホテル情報雑誌じゃん!」
お前――――!俺の記念日になんつ~場所に連れていこうとしてんだ!
「ん?何処がいい?」
「///知るか!」
俺は雑誌を律夏に投げつけると自分の部屋に逃げた!
【番外編・完】