ひとつ屋根の下の愛情論
第29章 【番外編・最終章】あれから――――…
あれから――――…
20年が過ぎた…
「律夏――――…醤油とって」
「おう」
俺たちは…ひとつ屋根の下で…一緒に暮らしている。
ケンカもしたし、仲直りもした…
もちろん――――何度も体を重ね、俺は完全に律夏の全てに反応する…イヤらしい身体になった。
「あ~今度…新店舗の方に出向するんだけど――――…秋音もついてくるだろ?」
「ん~…次どこ?」
「静岡県――――…」
「へ――――…静岡県かぁ、行く」
俺は手元のスマホで会社にメールを確認する。
「しかし、お前の会社は本社とかそう言うのなくて…マジでやっていけるのか?」
「実際――――やってるでしょ?俺の仕事はパソコン1つあれば何処でも出来るから」
大学卒業後に就職したのは、海外を拠点としたWebデザインの会社で自宅でも仕事が出来るのが魅力だ。
俺が担当しているのは企業のホーム画面のデザインだが、一口あたりの収入が大きくて、初めて一ページ任されたときの報酬に律夏と一緒に腰を抜かしたくらたいだった。