歪ーいびつー
第19章 エピローグ
ーーーーーー
ーーーーー
残暑だというのにまだ猛暑の続く八月、開け放たれた縁側から風鈴の音色が和室へと送り込まれる。
涼やかな音色が聞こえる中、テーブルに置かれたアルバムをめくる音が微かに響いた。
「また見てるの? 」
「えぇ……ほら、見て。あの子ったら夢ちゃんばっかり撮ってるのよ」
「本当だね。涼は夢ちゃんが好きだったからね……」
「そうね……」
アルバムにはたくさんの写真が納められていた。
空に向かって両手を広げて目を瞑る夢
料理をする夢
カメラに向かって花のような笑顔を見せる夢
川で佇む綺麗な横顔の夢
「……そろそろお洗濯物取り込まなくちゃ」
「あっ。俺今からサークル行ってくるから。今日は晩飯いらないからね」
「あら、そうなの。じゃあ今日はお父さんと二人ね。気を付けて行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
そんな会話と共に、慌ただしくパタパタと鳴り響く足音。
その足音も消え去ると、再び訪れた静寂に風鈴の音色だけが涼やかに鳴り響く。
その和室のテーブルに、ポツンと置かれた一冊のアルバム。
その開かれたままのアルバムには、
涼 ・ 夢 ・ 奏多 ・ 優雨 ・ 楓 ・ 朱莉
とても幸せそうな笑顔の六人の姿があったーー。
ー完ー
ーーーーー
残暑だというのにまだ猛暑の続く八月、開け放たれた縁側から風鈴の音色が和室へと送り込まれる。
涼やかな音色が聞こえる中、テーブルに置かれたアルバムをめくる音が微かに響いた。
「また見てるの? 」
「えぇ……ほら、見て。あの子ったら夢ちゃんばっかり撮ってるのよ」
「本当だね。涼は夢ちゃんが好きだったからね……」
「そうね……」
アルバムにはたくさんの写真が納められていた。
空に向かって両手を広げて目を瞑る夢
料理をする夢
カメラに向かって花のような笑顔を見せる夢
川で佇む綺麗な横顔の夢
「……そろそろお洗濯物取り込まなくちゃ」
「あっ。俺今からサークル行ってくるから。今日は晩飯いらないからね」
「あら、そうなの。じゃあ今日はお父さんと二人ね。気を付けて行ってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
そんな会話と共に、慌ただしくパタパタと鳴り響く足音。
その足音も消え去ると、再び訪れた静寂に風鈴の音色だけが涼やかに鳴り響く。
その和室のテーブルに、ポツンと置かれた一冊のアルバム。
その開かれたままのアルバムには、
涼 ・ 夢 ・ 奏多 ・ 優雨 ・ 楓 ・ 朱莉
とても幸せそうな笑顔の六人の姿があったーー。
ー完ー