歪ーいびつー
第3章 君への想いー涼ー
君と初めて出会ったのは小学3年の頃。
クラスが同じになった事がキッカケだった。
垂れ目がちの大きな瞳に、色素の薄いサラサラの髪。
真っ白な肌にほんのり色づく頬。
小さめだけどスッとした綺麗な鼻と小さな口。
まるでお人形さんみたいな子だなって思った。
こんなに可愛い子がこの世にはいるんだって俺はビックリした。
家が近かった事もあってすぐに仲良くなった俺達。
同級生よりも身体の小さかった夢は、俺にとってまるで妹みたいな感覚だった。
俺が守ってあげなきゃって。
可愛くてよく男子にからかわれる事の多かった夢は、よくイジメられて泣いていたね。
泣いてる夢を慰める為に、俺が頭をポンポンと撫でると、まるで花が咲いたかのような笑顔を見せる夢。
俺はそれが嬉しくて、いつからか頭を撫でるのが癖になっていた。
夢の隣で一緒に過ごしてる内に、俺の中で変化があった。
他の子と仲良くする夢を見て、夢の一番は俺でいて欲しいって。そう感じる様になった。
いつからか俺は、夢の事を一人の女の子として好きになっていた。
二人の気持ちが同じなんだと知った時は、俺は凄く嬉しかったんだ。
夢をこれからもずっと大切にしてあげたい。
君が怖がるもの、君を泣かせるもの、全てから守ってあげたい。
ずっとずっと俺が守ってゆく。そう強く思った。
遠くなる意識の中で、夢の笑顔を思い浮かべる。
可愛い可愛いーー夢。
俺は最期のその瞬間まで、ずっと君を想い続けたーー。
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